2010年02月17日

『星の王子さま』…サン・テグジュペリ

『星の王子さま』…著者;テグジュペリ



題名だけは有名だけど、実際に読んでいる人は以外に少ない作品と言うものがありますが、これもその1つ。
ひどいときには、『星の王子さま』というのが本のタイトルだということさえ知らない人もいます。
理由の1つとして、お話の特徴を簡単に説明しにくい、ということがあげられるでしょう(たとえば、『トム・ソーヤ』をいたずらっ子の物語と言い切ってしまうみたいに)。

作者のサン・テグジュペリは、彼が感じた、大人のはっきりとした言葉にしてしまうとダメになってしまういろいろなことがらを、物語の形で表現しています。
そのため、この本を読む人には、かなり豊かな想像力が必要とされます。

たとえば、

ele.jpg


こんな絵を見て、『怖い』と思えるような、そんな想像力です(この絵がどうして怖いのか、分からない人は、『星の王子さま』を読んでみてください)。

このお話は、そんな想像力を胸の奥にそっとしまった飛行士と、そんな彼のところに訪れた、1人の王子さまのお話です。

サン・テグジュペリは、詩人であり、飛行機乗りでした。
この人の乗った飛行機は、1944年の7月31日、地中海で姿を消してしまいました。
この飛行機がその後どうなったか、それは人それぞれの想像力に任せられていたほうが美しかったのかもしれません。

この本が好きな管理人の知り合いは、昔そう言っていました。
posted by kbk-mzp-ck9000CP at 18:11| 東京 ☁| Comment(0) | 書評・児童文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月14日

『くまのプーさん』…A・A・ミルン

『くまのプーさん』…著者;ミルン 岩波少年文庫




部屋の本を整理してたら、『くまのプーさん』が出てきました。
大の大人の部屋に何でそんなもの、と思われるかもしれませんが、『くまのプーさん』は立派な文学作品です。
プーさん好きには、原作派とディズニー派が存在するようですが、管理人は断然原作派です(というよりアニメを見たことがありません)。
そんなわけで今日は、プーさんの原作を紹介したいと思います。



『くまのプーさん』。
この作品は、たくさんの短いエピソードからなりたっています。
ハチミツを盗ろうとして風船にぶら下がるプーさんの話。
そのプーさんが、今度は食べ過ぎて、ウサギの穴にハマってしまった話。
コブタといっしょに、怪物ゾゾを捕まえようとする話。
クリストファー・ロビンが百ちょ森のみんなを連れて、北極を目指すお話。

作中で、ロビンは何度もプーさんのことを『ばっかなクマのやつ』と言い、百ちょ森の分別のある面々も彼のことを頭の足りない動物とみなしています。
そして実際に、プーさんの的外れな行動は、いつも話をおかしな方向に持っていってしまいます。
しかしだからといって、彼が浅はかだというわけではありません。
本当はプーさんは、物語の登場人物の中で一番深く物事を考えている動物なのです。
ただ、彼の中には、一人前の動物が知っておくべき知識が、まだそろっていないので、そのふるまいが、周りからは変なものに見えてしまうのです。

だけどいつも自分の頭で考え続ける彼は、時々すごく的を射たことを口にします。
そのことに気づき、実感を持って彼の言葉を受け止められる唯一の人物が、クリストファー・ロビンです。
彼は確かに『ばっかなクマのやつ』と口にしますが、それはあくまで愛情に裏づけされた言葉。
彼ら2人は、互いへの敬意に基づいた、深い友情で結ばれています。



そんな深い哲学を備えた原作ですが、ディズニー絵の特徴である過剰な感情表現は、こういった思想性とはあまり相性がよくありません。

やはり原作の挿絵画家、アーネスト・H・シェパードの、あっさりして見る人に想像の余地を残してくれる画風のほうが、この作品には合っていると思います。

ところで、『プー』というのが元は白鳥の名前だったこと、ご存知でしたか?
くまのプーさんは、2代目のプーだったのです。
その辺の経緯は前書きに詳しく書いてあるので、プーさんが好きで、でも原作を読んでない方は、ぜひ1度読んでみてください。
posted by kbk-mzp-ck9000CP at 21:39| 東京 ☀| Comment(0) | 書評・児童文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月11日

西の魔女が死んだ』…著者;梨木香歩

『西の魔女が死んだ』…著者;梨木香歩 新潮文庫



西の魔女、と聞いてオズの魔法使いを思い浮かべる人も少なくないでしょう。
ドロシーの靴を手に入れようとたくらむ悪役ですね。
でもこの本のタイトルになっている『西の魔女』はオズの魔法使いとは何の関係もありません。

人間関係に疲れ、学校に行かなくなったまいは、日常から離れ、イギリス人のおばあちゃんの家に転がり込みます。
そこで待っていたのは、飼っている鶏の卵を朝ごはんの材料にしたり、野いちごを摘んでジャムを作ったり、という自給自足のオーガニックな生活。
そんな暮らしを続けているうち、やがてまいは、彼女の血族に伝わる、不思議な力を自覚するようになります。
そしておばあちゃんから、魔女になるための訓練を受け始めるのでした…。

『西の魔女』とは、まいのおばあちゃんのこと。
彼女が、生まれ持った力と付き合うために身につけた哲学は、傷付き疲れたまいに、ゆっくりと再起する力を与えていきます。
立ち直ったまいは、その力をどう使うのか。
それを教えてくれる短編が、後日談の形で収録されています。

ご存知の方も多いでしょうが、映画化もされています。

ラベル:梨木香歩
posted by kbk-mzp-ck9000CP at 07:33| 東京 ☁| Comment(0) | 書評・児童文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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