2010年01月21日

『人間以上』…著者;シオドア・スタージョン

ええーっと、ここからは将来人に読まれることを考えて敬体で書きます。
自分、ちょっとわけあって本にはかなりうるさい(つもり)です。
そんなわけでとりあえず、自分が読んだ本を徒然なるままに紹介でもしていってみようかなー、と思います。
そんなわけで一冊目はこれ。


『人間以上』…著者;シオドア・スタージョン ハヤカワ文庫



SFです。
普段は読まないジャンルなんですが、何となく自分の知らないものに手を出したい気分になって、買って見ました。何の予備知識もなしに、ブックオフで105円。
お得な買い物でした。というのは、その後別の場所で新刊が平積みになってるのを見たので(笑)。
まあ、前置きはこの辺にして作品について語ります。
SFにもいろいろありますよね。
『こちらの世界と並行世界とがつながる』系とか、『一つの新技術を掘り下げて、それによって変わった世界を描く』系とか、単純なところでは『異星人の侵略』系とか、『時間旅行』系とか(そこら辺はもう出尽くしてるのかな?)。
この作品は一言で言えば、『特定の人間が種としての次の段階に進化する』系です。あ、表紙の後ろに書いてました…『ミュータント・テーマ』って言うらしいです。マンガで言えばX−MENですね(あれ、アメコミの中では一番好きです。関係ないけど)。

ネタバレにならない程度に内容を紹介します。
この作品には、何人かの子供が出てきます。
彼らはそれぞれ、テレポートとかテレキネシス(手を触れることなく物質を動かす力)などの特異な能力を持っていて、世間からはつまはじきにされていました。そんな彼らが、ひょんなことから共同生活をするようになります。
彼らは自分だけが持つ能力でお互いの不足を補い合い、いつしか全体で一個の生命として生きる道を見つけていきます。
生物学の用語に当てはめれば、相利共生関係、といったところでしょうか。
まあ、そのへんは実際に本を読んで確かめてみてください。アイデアをブログで知らされてもつまらないと思うので。
それに、この作品の見所は主人公たちがその考え方に至るまでの道筋にあるのです。このお話、SFではありますが、そんなに派手なバトルとかはありません。ありがちなガジェット(SF的な小道具)なんかも、ほとんど出てきません。
あくまで思想的な部分だけを掘り下げながら話は進んでいき、最後は『道徳』、『品性』に対する哲学的な考察となって物語は締めくくられます。

手に汗握るような映画的な展開を求めると、ちょっとがっかりしてしまうかも知れませんが、人間とその社会について一呼吸おいて考えてみたい方にはお勧めの作品です。
きっと、著者スタージョンの提示する新鮮な視点に、ハッとさせられることでしょう。

訳者;矢野徹
国際幻想文学賞受賞作品。



posted by kbk-mzp-ck9000CP at 18:50| Comment(0) | 書評・ストーリー物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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